女性・子供のエンパワーメント

コラム

女性・子供のエンパワーメント

子供元型・つぶしや元型・犠牲者元型と向き合う 一つのエンパワーメントが、世界を変える

By 岩田洋治

女性・子供のエンパワーメント

子供のエンパワーメント:教育(共育)の醍醐味

 

子供が成長していくときほど、教育が大きな意味を持つことはないでしょう。
良い教育を受けたかどうかが、間違いなくその後の人生に大きな影響を与えるからです。
社会性や専門的知識、あるいは手に職をつけることなど、 学ぶべきことは数多くあります。
しかしながら、元型的視座から見た場合、子供が学ぶべきことは主に二つです。

【参考コラム】元型

 

子供元型とつぶしや元型です。

 

子供元型に関しては言うまでもないでしょう。
文字通り子供なのですから!

 

躾(しつけ)という言葉がありますが、これはまさに子供元型をエンパワーするための言葉です。

 

その意味は漢字に表されているように、「身を美しく」整える力を持つことです。

 

つまり、自分自身のエネルギーを美しく使っていく力です。

 

スーパーの駄菓子コーナーで駄々をこねている子供の風景を、だれもが思い浮かべることができるでしょう。
「駄々をこねれば、そのうち言うことを聞いてもらえる」ことを知っているのです。
子供元型の影を暴れさせれば、周りをコントロールできる。
ただ、これを続けている限り、全く成長はありません。

 

自分自身の力を美しく使い、自らの力で望ましい状況を実現してく生き方を、学ぶことがないからです。

 

もう一つ、つぶし屋元型を通して学ぶことは、内なる力への信頼です。
未だやったことのないことをやってみること、
未だ行ったことのないところに出かけていくこと、
未だ言ったことのないことを言うこと。
これらはいずれも、勇気のいる冒険です。

 

このような冒険が、その人の世界を広げていくのです。

 

それを可能にするのが内なる力への信頼であり、この信頼は経験を通して学んでいくものなのです。

 

内なる力は、それを生きてみるまで学ぶことはできません。

 

しかもその学びは一度きりのことではなく、繰り返していく中で、徐々に力がついていきます。

 

自分自身の力に信頼を感じれるようになるまで、何度も何度も、小さな冒険を繰り返していくこと。
周りができるのは、それをサポートすることです。

 

とは言うものの、自分自身がエンパワーすることなしに、人をエンパワーすることはできません。

 

子供元型をエンパワーするには、自分自身の子供元型を躾けられる力が必要です。

 

つぶし屋元型をエンパワーしようと思うならば、自分自身が内なる力を信頼している必要があるのです。

 

だからといって、自分がしっかりしていないために…と、力を落とすことはありません。

 

一緒に成長すればいいのです。

 

子供の成長と共に、自分の中の子供元型も、つぶし屋元型も、もう一度見つめ直していく。
そして自分の人生を新たにスタートしていく。

 

これが子供の教育(共育)の醍醐味ではないでしょうか。

 

 

女性のエンパワーメント:犠牲者元型の影と向き合う

 

 

 

子供の成長を考えるときに、子供元型やつぶし屋元型が大切であったように、女性のエンパワーメントにとっては、犠牲者元型が大切な意味を持ちます。

 

世界的に見ても、いままで当たり前とされてきた考えや風習の中にさえ、理不尽な形で女性が犠牲になってきた例は多くあります。

 

日本も例外ではありません。

 

このような歴史を抱えている女性の犠牲者元型には、根深いものがあります。

 

いま女性のエンパワーメントに取り組むとき、私たちは次の3つの角度から見つめていく必要があるでしょう。

 

一つは社会的な変化です。

例えば女性の働き方一つをとってみても、子育てをしながら働ける仕組み作りや、マネジメントへの女性の登用など、近年様々な形で新たな取り組みが始まっています。
中には生活スタイルが変化することで見直されてきたものもありますが、やはり、女性の本来の力を生かす環境がなかったことが、ここに来て意識されるようになってきているのでしょう。

 

家庭や社会がどのように変わっていくことが、女性のエンパワーメントを育んでいくのか。

 

私たちは意識的に、このテーマに取り組み続ける必要があります。

 

 

二つ目は、犠牲者元型そのものを意識することです。

 

様々な社会変革を実現していくとともに、女性自らが犠牲者の元型を意識していくことが大切なのです。

 

それに自分はどれほど影響されているのか。
男性や社会に対する言いようのない怒りとして表出されることもあるでしょうし、無意識の内に自らを犠牲にする傾向として現れることもあります。
意識の深みで起こっているエネルギー漏れは、 社会的な変化だけでエンパワーすることは難しく、自らがその影と向き合っていく作業がどうしても必要になります。

 

 

三つ目は、
そのようにエンパワーしてきた女性とどう関係を持てばいいのかという、男性の差し迫った課題です。もしかすると、これが一番の課題かもしれません。

 

女性のエンパワーメントを脅威に感じるのではなく、自らが共に成長できる機会であると受け止めることです。
女性によって自らが変わることを、受け入れていくことです。
本当の力とは何かを、学び直す時が来ているのです。

 

さて、女性と子供のエンパワーメントというテーマで考えてきましたが、実際には背後に子供と親の関係があり、女性と男性の関係があります。
女性と子供だけの課題など存在しないのです。

 

全てが互いにつながっており、一つのエンパワーメントは他のエンパワーメントを促していきます。

 

一つのエンパワーメントが、世界を変えるといってもいいでしょう。

 

岩田洋治

この記事を書いたのは:岩田洋治

1964年生まれ
1987年 北海道大学工学部卒
1989年 同大学修士課程修了
      同年外資系メーカーに入社
      国内および海外にて研究開発者として勤務
1998年 同社を退社、行動科学研究所に加わる
2019年 行動科学研究所所長に就任

PEP個人セッション、リーダーシップラボ、PEP企業研修などを通して、個人や組織のエンパワーメントをサポート。

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