第3フェーズの風景

MIRAIを試乗してきました。七つの風景が見えました。

1 化石燃料に依存することなく、無尽蔵にある水素と酸素(空気)で自立的に車を駆動させることができると同時に、今までのエネルギーと絶縁するのではなく、むしろ今までとは異なる形で共存し、従来存在しなかった形式の「動き」のありかたを産み出している。

2 燃料タンクに貯蔵されている水素は、簡単なコンバーターを設置すことで、一般家庭が使用する電気の約1週間分の電力を供給できる。自動車として自立しながら、生活と有機的につながっている。

3 せこく、小さく、ケチらないで、特許を無料公開することで、自立しながらも他者メーカーや顧客とのつながりを大切にする。開発に20数年の時間と開発費をかけた。

4 オートパイロットはあえてつけない。運転の安全には極限までサポートはするが、究極は運転をする個人の責任領域には入らない。と言うより、入れない。危険な時にブレーキをかけて未然に事故を防ぐのは、あくまで運転手である人間である、とのスタンスは崩さない。移動の際、車は依存するアイテムではなく、意識を起こして加速・停止などの究極的判断は、人間である個人に帰属する。

5 第3フェーズ原人の生き方に限りなく近似している。自立しながらも、つながり、自分の生き方に責任をもち、日常の作業を楽しみながら、新旧の技術やノウハウを組み合わせて必要なエネルギーを創り出し、毎日を創造する第3フェーズ原人のあり方、生き方に、MIRAIは面白いメタファーである。

6 38億年に渡って無尽蔵に埋蔵されてきたアーキタイプ「水素」は、意識という「空気」と化学反応(ああ、そうか!それだったのか!)を起こすことで、とてつもないエネルギーに変換可能である。どこでも、いつでも、だれでも発動・発電できる「駆動力」「変容力」である。

7  商品力とは何か。それはその商品アイテムが持つ技術力、開発力、デザイン力、斬新性などの特性が、顧客個人のエンパワメントに貢献できるかを、どれ程真剣に考え抜かれているかどうかである。その商品を生活に取り入れることで、お客はいかに喜んだり満足したりするかのみならず、むしろそれよりも重要なこととして、そのお客の意識と日常の生活の質がどれくらい変容し、どれくらい向上したかのような課題にどれくらい真剣に取り組んできたか、がそのアイテムの商品力を決める。商品のテロスに、どれくらい相応しい卓越性をもっているかが、その商品を販売する側(トヨタ)の資格、その商品を入手する側 (私)の資格が決まる。

岩田 静治さんの写真

私はこのアイテムMIRAIを手に入れる資格があるだろうか。

そして、トヨタは…