細胞の時間 「老化と再生の生命観」


秩序のあるものは、すべて無秩序の方向しか動かない、いうのが熱力学の第2法則、エントロピーの理論。これは生命を全て機会論的に見る視座。自然をたわめ、思いこまれた自分の思考にあわせて、自分も他者もコントロールできるとする思考構図。正にこれが98.8%の世界。生命は「生老病死」が現実であるとする思考回路。もう一つは、生命は「生老病死」をパラメーターとし、その条件の中で何をするのか、どう生きるのか、どう振る舞うのか、を考える感情回路。前者は老化を絶対化するエントロピー生命観。後者は再生に注目するポテンシャル生命観。
38億年の生命が連綿と続いてきたのは、このエントロピー生命観の罠にかからなかったから。そのために、古くなった自分の部位を壊し、新しく合成することで、生命は動的平衡を維持しつつ、ポテンシャル生命観を持続してきた。私達はこれを第3フェーズと呼びます。
私達の本質は、正にエントロピーを隔離する特性。エントロピーの裏側にあるポテンシャルを生きるために、エントロピーは必要不可欠。光のエントロピーは闇であり、闇のポテンシャルは光なのです。
本庶博士の免疫論も、このポテンシャルとエントロピーの生命視座で見ると、ず〜んと腑に落ちる。私達はオプジーボなる薬を投与されるまでもなく、自らのエントロピーというブレーキと、ポテンシャルというアクセルをバランス良く使うことができる。
世界レベルで、個人レベルで、今崩壊しつつある人間関係や種々雑多の組織に共通するものは、エントロピー生命観の罠にかかった、意味も知恵も欠如した98.8%のたわめられた世界です!古くなった自分を壊すことなく、新しい細胞の合成もしなくなった個人・組織・国家は、時間の経過と共に無秩序の方向に転がり落ちてゆく。そして壊しては作り替える個人・組織・国家のみが、持続し、多様化し、繁栄するものです。
エネルギー視座から見える風景です。